iPadはパソコンの代わりになるのか?という考え方はそもそも間違っていた。新型iPadPro 12.9インチ(2021)をレビュー!

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本日5月21日に発売された、2021年の新型iPadPro 12.9インチを購入してきました!果たしてパソコンの代わりになり得るのか・・・と考えて買ってみたのですが、そもそもその考え方が間違っていました。もっと根本的な考え方を変えなきゃいけないと痛感したので、レビューも交えながら紹介していきたいと思います!

iPadProのレビューよりも、iPadシリーズそのものの選び方について迷っている方は、是非こちらの記事を参考にしてみてください。

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今回購入したモデル

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今回購入したモデルはiPadPro 12.9インチ(WiFiモデル)、Magic Keyboard(ホワイトJISキー)、Apple Pencilの3点です。

なぜ11インチではなく、12.9インチなのかというと、このブログを書き始めた関係でキーボードとセットで使いたい!という気持ちがあったからなんです。

もちろん先に店頭で11インチ Magic Keyboard付きのデモ展示を何回も触ったのですが、どうしてもパソコンよりも幅が狭いキー配列になってしまうことや、トラックパッドそのものも小さくなっている感じがして文章入力の手応えが微妙だったんですよね。

あとは12.9インチのディスプレイだけが、10,000個以上のミニLEDを搭載した「Liquid RetinanXDR」へ進化を遂げている点も、動画や写真編集でどれだけ差が出るのか興味がある、というのもひとつの理由です。

よって、今回はブログ作成といった点での使い勝手を最優先して、12.9インチを選択するに至りました!

まずはOffice系アプリを試す

初期設定、いわゆるセットアップはあちこちで紹介されていますので、本ブログでは割愛しちゃいます(笑)いや、もうホント案内に従っていくだけなので、紹介する内容がないくらいシンプルな作業です。

ひとまずiPadProの可能性を見るために、いろいろアプリをインストールしてみました。

仕事系にはExcelやWord、そしてOmniFocusやMindNode。写真系アプリはAdobe LightroomとAffinity Photo。動画系はiMovieからはじまり、Luma FusionとAdobe Rush。といった具合にアプリを入れて、どれだけ快適に作業ができるか試してみました!

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まず仕事系アプリの動作については、その十分すぎるマシンパワーのおかげで快適そのものですね。とくにOmniFocusとMindNodeは仕事場でiPhoneを使って入力するので、iOSアプリの軽快かつ直感的な感覚をそのまま大画面のiPadで情報の編集や整理ができるのは画期的です。ではMacで!となると、どうしても腰が重くなるというか、iOSアプリの良さが実感できなくて楽しくない、というのが今までの感覚でした。

WordやExcelといったOffice系も、アプリが立ち上がるまで一瞬。あっという間に作業をスタートできます。そこらへんのパソコンやタブレットじゃ、こうはいかないでしょうね♪( ´▽`)

ただ、オフィス系アプリでのワークフローになってくると、アプリ同士を切り替えたりする機会が多くなってくるので、マルチタスクが苦手なiPadでは好き嫌いが分かれそうです。

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上の写真のように、iPadOSにはトラックパッドやジェスチャーでアプリを簡単に行ったり来たりするアプリスイッチャーの機能があるのですが、これがまた癖があって・・・。

アプリを切り替えて数秒経つと、現在使っているアプリが最上位、つまり写真でいう右上に位置するようになります。このアプリの並び順が常に入れ替わるので、複数のアプリを行ったり来たりしたいと思った時、切り替えたいアプリが今どこにいるのか、いちいち探さないといけないんです。さっきまではExcelが右下にあったのに、今はえ〜っと・・・なんていう時間と労力が発生するわけです。これが意外とストレス。

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そのアプリの切り替えのストレスを多少改善するテクニックとして、キーボードのショートカット「cmd+tab」によるアプリスイッチャーは有効だと思います。この方法であれば、いくつか候補にあるアプリから視覚的にシンプルな状態から選ぶことができるので、だいぶストレスが減ります。ただ、キーボードをつけている場合しか使えないテクニックなので、そこは環境を選ぶかもしれません・・・。

また、最初の写真のようにiPadには ”Split View” と呼ばれるアプリを2つ同時に並べて作業する機能もあるにはありますが、あくまで「2つまで」ですし、画面を2等分にしてしまうのでスペースが犠牲になります。アプリを3つ以上同時に・・・なんていうことは、もちろん現実的ではないので、あっち行ったりこっち行ったりするマルチタスクの多い作業は、やはりパソコンと比べると手間を感じざるを得ません。

次に写真・動画系クリエイティブアプリを試す

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しかし、写真や動画の編集作業になってくると話は別です。

こういったジャンルになってくると、マルチタスクの必要性はずっと少なくなり、ひとつのアプリでじっくり時間をかけて作業することがメインになってきますので、上で挙げたようなiPad特有の弱点は感じなくなります。

むしろiPad用に設計された直感的なアプリ達のおかげで、難しいことを考える労力や時間が激減し、クリエイティブな作業に集中できる感覚が楽しかったです!

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Lightroomアプリでは、カメラから直接、またはSDカードリーダーを使って直接のデータ読み込み。そのまま画面でピック作業をして編集スタート。この編集のとき、意外にも活躍したのがApple Pencilでした。パラメーターの細かい変更をトラックパッドで行うよりも、Pencilで調整ノブを動かすのがとても快適でした。また、選択範囲を作って部分的に露出を変えたい、といったときもPencilであれば直感的。まさにタブレットだからこそ実現する作業工程だと思いました。

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動画編集においては、LumaFusionで簡単な作業を行ってみました。素材に使ったのはiPhone12Proで撮影した4K60PのHDR動画、つまりかなり負担の大きいファイルになります。そんなデータでも、iPadProはコマ落ちすることなく難なく再生してくれます。

LumaFusionはテキストやトランジションも豊富ですし、画質やフレームレートなども細かく設定できるので、このアプリだけで動画編集に必要なことはだいたいできてしまいます。

写真・動画といったジャンルでは、タッチパネルとキーボードの使い分けが効果的なので、すごく良い作業環境だなと感じました!

iPadはパソコンの代わりになる?を悔い改める。

当初、iPadProの購入を考えるときは常に「パソコンの代わりになるかなぁ?」といった頭でいました。ところが、いろいろなアプリを試すうちに根本的に考え方を改める必要があると感じました。

それは、iPadはパソコンの代わりでもなんでもなく、真の ”タブレット“ という独立したジャンルである、ということ。

今まではタブレット=パソコンのサブ機(簡単な作業をするためのもの)のようなイメージでしたが、このiPadProまでくると、もうサブ機なんていう立場ではなくなったと言って過言ではないと思います。

ハードウェアとしては、完全にパソコン同等、もしくはそれ以上に到達しています。M1チップを搭載したことにより処理能力はMacBookPro16インチ並み。画面は最大120Hzのハイフレームレート対応で、ミニLEDによりコントラスト比は1,000,000:1。パソコンの世界でもこれだけのマシンを見つけるのは難しいでしょう。

ちなみに、この記事や写真はすべてiPadProで完結させてみたのですが、記事を書き終える段階でバッテリー残量は70%。途中で動画4K60Pの書き出しテストなんかもしているのに・・・驚異的なバッテリーの持ちです╭( ・ㅂ・)و ̑̑

なので、パソコンの代わりになり得るか?という視点でiPadProを検討するのではなく、

自分の作業やスタイルが「パソコン向き」か「iPad向きか」で選ぶべき、という結論に至りました。

iPadProは、どんな人にオススメか?

「タブレットは軽い作業が最適」と考えてオフィスワークをiPadで・・・と思っている方は、マルチタスクが多いという点で意外とiPadは苦手なジャンルなのかもしれません。また、会社規模でのプロジェクトといったシーンでは他者との互換性などが求められるので、やはりパソコンが必要でしょう。

では、ピクセル単位のシャープネスや色味を気にするフォトグラファー向け?も違います。

Log撮影した素材をカラーグレーディングで綿密に調整した動画が必要なビデオグラファー向け?でもありません。

そういった人達も、高額なディスプレイとパソコンを買えばいいと思います。

しかし、今は「個人」が活躍する時代。

個人で撮影し、編集し、発信する。YouTuberやライバー、インスタグラマーやブロガー。

こういった世界には、何よりもスピード感が求められます。動画の細やかな色味の調整なんかより、そのネタ自身の新鮮さやインパクトの方が重要視されます。そんなジャンルで活躍される方々に、iPadProは最適な選択肢になると感じました。

さらにiPadシリーズの安定性はバツグンです。起動は一瞬だし、ウイルスうんぬんに困らせられることも皆無。トラブルも圧倒的に少ないので、そういった難しいことに「頭を悩ませる時間」を「クリエイティブな時間」に費やせることも非常に重要なポイントです。

例えば僕もどハマり中のキャンプの世界では、キャンプ場のレビューからギア紹介、ライブ配信などを多く見かけます。そこでiPadProを使ったら、どんなワークフローが完成するか例として想像してみましょう!

キャンプ場で撮影した素材をその場で編集スタート。写真はLightroom、動画はLumaFusion。Apple Pencilで手書き風のキャンプションを入れたり・・・。もちろんこの過程で電池の持ちを心配する必要はなし。セルラーモデルを選んで外出先でもネットワークに繋げられるようにしておけば、キャンプ場で編集を終わらせてアップロードすることも可能。

このくらいの新しいプロセス、新しい可能性を秘めているのがiPadPro、真の “タブレット” というジャンルなのです。

つまり「パソコン(タブレット) vs スマホ」だった選択が、「パソコン vs タブレット vs スマホ」となったわけですね!改めてスゴい時代になりました・・・。

あ、もちろんPencilを使って絵を描きたい!なんて方は文句なしでiPadProですよ!フレームレート120Hzでスラスラっと、遅延なく描画できるのはとてつもない体験だ。って知り合いのイラストレーターが言ってましたので(笑)

身軽に動いて、スピーディーに情報発信をしたいそのアナタ!是非参考にしてみてくださいʕ•̀ω•́ʔ✧

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